2016/10/8
まるで天空の城ラピュタ!
廃墟マニア垂涎の地、和歌山にある無人島「友ヶ島」に行ってきました。
孤島の中で朽ちてゆく軍事施設。島全体に漂う寂寥感。ここでしか味わえない魅力がある場所でした。
目次
出航!友ヶ島汽船は本数少ないから注意!
島ですから船で渡らねば。和歌山県の加太港から友ヶ島汽船に乗って約20分の航路。本数がないので、事前に行き帰りの出航時間をしっかり調べておきましょう。
私は事前調査不足で、のんきに朝ごはん食べて海沿いを散歩してたら、9:00の便を逃してしまいました。
「次の便は11:00かぁ、キャンプ場の予約もあるしまた今度にするかな」なんて思ってたら「本日強風のため午後便から欠航の予定!上陸時間は2時間限定で10:00に出航します。希望の方はいませんか!」なんて駐車場でアバウトな呼びかけが。
「おお神の救い!」2時間もあれば十分だろうと乗船することに。
料金は大人往復2000円ですがJAFで一割引1800円。JAFマジで有能です。
こんな船に乗っていざ出航!
およそ20分の船旅ですが、さすがに午後から欠航になるだけあってかなりの風と波。のんびり写真撮ろうと思ってましたが、塩水が吹っ飛んでくるのでおとなしく座っておきました。
しかし船名が「らぴゅた」って…
友ヶ島に上陸!第2砲台跡へ向かいます
桟橋を渡るとそこは小さな広場。トイレと島の案内板があります。
リサーチ不足でルート案内を見ると思ったよりも大きな島。2時間で全てを回るのは無理なので、とりあえず第二砲台跡と灯台を目指すことに。こちらは比較的平坦なルートでした。
道中、いきなり廃墟感が。
友ヶ島は明治以降は軍事施設として地図上でも白塗りされていた島。国立公園指定後に南海電鉄がレジャー観光の島として開発したものの、観光客の激減で15年ほど前に撤退したそうです。往年は賑わってたんでしょうね。第2砲台跡に向かう途中そんな廃墟みたいな場所がいくつか。
第2砲台跡
第2砲台跡は終戦時に爆破解体された姿そのまま。今は崩壊の危険があり中に入る事はできません。
ツタの絡まる朽ち果てたレンガ造りの建物と青い空と海のコントラスト。ただ海風にさらされこの先も朽ちていくだけの建造物。なんとも言えない寂寥感が漂ってます。
灯台〜第3砲台跡へ
こちら側の灯台は今は使われていないようで、こじんまりとしたもの。
小さ目の広場になっていて、お弁当を食べてる人もいました。いつのものかわかりませんが、お弁当のゴミが捨ててありました。こんな事ができる人はこういうとこに来る資格ないですね!
途中にキャンプ場がありましたが、誰もテントを張っていません。あとで確認すると、当日の午後から10日いっぱいは船が欠航していたので、キャンプしてたらマジでサバイバルになりますね(キャンプの場合、管理事務所に届けるようなので放置はないと思いますが)飲料水はなく持参する必要があるとのことです。
ここから第3砲台跡を目指しますが、けっこうな登り道。準備不足で飲み水すら持ってません。ひぃひぃ言いながらようやくお目当ての第3砲台跡に到着した時点で、出航までの残り時間は40分程度。
そのまんまラピュタ「第3砲台跡」
まさにラピュタ…
草木だけが静かに時を刻んでいました。
保存状態がよく友ヶ島のメインスポット。
寂れて雑草に覆われたこの場所は、一人だったら怖いくらい。施設はトンネルでつながっていますが、真っ暗で明かりがないと足元も見えません。施設の手入れは全くしていないようで廃墟化が今後も進むでしょう。ここもいずれ立ち入り禁止になるのでは。
他の観光地と違い本物の廃墟。ここがラピュタと呼ばれる所以でしょう。
帰り際、お約束の呪文を
「バルス!」
うちの嫁さん、アニメに全く興味なし。
「何言うてんの?はよいくで!」の一言で現実に引き戻されました…
もっと居たかったですが、二時間限定の上陸のため、船に乗らねば正真正銘のサバイバル。慌てて船着き場を目指します。出発3分前に桟橋に到着したら最後の一組でした。ヤバかった!
帰りはさらに大きくなった波に揺られ加太港へ到着。
友ヶ島へ行く時の注意点
- 船の乗船時間をしっかりと確認しよう
- しっかりした靴を履いていこう
- 飲料水は必ず持参しよう
- あまり時間がないなら第3砲台跡から回ろう
自分達の反省そのままです。
「ラピュタ見たい!」なんて軽い気持ちで行きましたが、廃墟を回るだけでも4キロ程度のアップダウンがあるコース。ビーチサンダルやヒールなんかで渡るのは厳禁ですね。しっかりした靴を履いていきましょう。
また無人島なのでほんとに何にもありません。要所に販売機くらいあるだろうなんて思ったら大間違い。最低限、飲料水は必ず持参しましょう。結構ハードな道もありますし、万が一サバイバルになったら洒落になりません。
見所はたくさんあって、ゆっくり回るならかなりの時間が必要。2時間じゃ完全に駆け足でした。その日の予定で時間がなければ第3砲台から回る方がいいかな。登りはキツイですが、やはり一番雰囲気があるポイントでしょう。
全て回ればおよそ8キロくらいのハイキングコース。すれ違う人も少なく自然を満喫できます。
他にも釣りやキャンプなども楽しめるようですが、キャンプはベテラン向け。オートキャンプ気分で行ったら悲惨な体験になりそう。個人的にはぜひともやってみたいと思います。
友ヶ島、魅力ある島でした!
私たちはリサーチ不足で半分も楽しめなかったと思いますが、それでも十分すぎるほどラピュタの雰囲気を味わってきました。廃墟マニアと呼ばれる人達でなくとも、忘れられ朽ち果てていく建造物には一抹の寂寥感を抱くもの。
明治から終戦までその役目を果たし、平和な時代の中で忘れられ朽ち果てていく本物の廃墟がそこにありました。
2017/5/23追記
友ヶ島の海岸に大量のゴミが漂着という残念なニュースが。
すぐそばのオススメスポット
泊まったのはココ。お風呂は超オススメ