キャンピングカーで「熊野三山」へ出かけてきました。
世界遺産登録前は「陸の孤島」レベルだった熊野三山も、高速道路が伸長し道路も整備され、以前とは比較にならないほど行きやすくなってます。
世界遺産「熊野三山」を車で訪れる場合の注意点をまとめてみました。
目次
- 世界遺産「熊野三山」とは
- 紀伊半島南部は現代でも容易に人を寄せ付けない「パワースポット」
- 熊野三山を参拝する順番は?
- 車を使い最速で熊野三山を回る所要時間
- 熊野三山をゆっくり参拝するための所要時間と注意点
- まとめ:信仰の原点を体験する旅。一生に一度は熊野詣を
世界遺産「熊野三山」とは
熊野三山とは「熊野本宮大社」「熊野速玉大社」「熊野那智大社」三つの神社の総称。
「紀伊山地の霊場と参詣道」の構成資産として「参詣道(熊野古道など)」「高野山」「吉野・大峯」と共に、ユネスコ「世界遺産」に登録されました。
紀伊半島南部は現代でも容易に人を寄せ付けない「パワースポット」
紀伊半島南部の平地はごく一部。
海岸線ギリギリまで山が迫り、海岸線沿いの主要道路42号線も、アップダウンの激しい道。
さらに紀伊半島の山中は、主要道路を除けば難所の連続で、300番台・400番台の道路なんて入り込むと命がけなんて場所もあるくらい。
電車で行くにも長いローカル線の旅が待っています。
紀伊半島南部は交通網が発達した現代においても、ある意味人を寄せ付けない厳しさを持った場所。
神々しい熊野の山々。その深い谷を縫うように流れる熊野川には悠久の時を感じざるを得ません。
日本人の信仰の原点である「自然信仰」を体現した、神秘的なパワースポットです。
浄土につづく祈りの道ー熊野古道
紀伊山地の深い山々の自然は、
古来より万物の創造主が隠れ、
宿るところと信じられてきた。
人びとは自然を畏敬し、崇め、信仰した。
そして平安時代、
敬虔で情熱的な信仰心とともに
人びとは熊野の地をめざした。
山中の険しい道を幾日も費やし、
息も絶え絶えに歩いた。
浄土へとつづくと信じた
熊野三山とその参詣道、熊野古道を辿った。
これだけ便利になった今でも、はるか遠く感じられる熊野。
今から1000年以上も昔に、自らの足だけでいくつもの難所を超え辿り着いた熊野三山。どんな思いがその胸に去来したんでしょう。
想像するだけで胸が熱くなりませんか?
私は釣りのため、数え切れないほど熊野川に訪れています。その都度、朝も夜も熊野川のほとりで過ごしました。
その時に見た朝靄に霞む熊野川と、登る朝日に照らされた熊野の山々。その神々しさは「筆舌に尽くしがたい」もの。
まさに聖地と呼ぶにふさわしい場所です。
その光景を一度でも目にしたならば、この場所に信仰が根付いた理由は、違和感もなく「ストン」と腹落ちするんじゃないでしょうか。
熊野三山を参拝する順番は?
正式な参拝の順番は
熊野本宮大社→熊野速玉大社→熊野那智大社
熊野古道は全て熊野本宮大社へ向かっています。
当時の都である京都から、向かうにはまず大阪を抜け、中辺路の熊野古道に沿って熊野本宮大社へ参拝。そして川の参詣道(熊野川)を下って速玉大社へ。その後、海に沿って勝浦へ向かい、那智大社へ向かったのでしょう。
とはいえ、現代に生きる私たち。
こだわりがなければ、特に順番にこだわる必要はないかも。
関西から向かうなら正式な順番で回るのが、効率の面でも一番ですが、東海方面から来るなら最初に出会うのは熊野速玉大社。
そこから熊野本宮大社・熊野那智大社のどちらに向かうかは、その後の予定次第でいいんじゃないの?と思います。
私は熊野三山を参拝したあと「伊勢方面へ向かいたい」「勝浦で一泊したい」
こんな予定だったので、熊野本宮大社→熊野那智大社→熊野速玉大社の順に参拝しました。
車を使い最速で熊野三山を回る所要時間
熊野本宮大社からスタートして、大急ぎで回るだけなら、
- 本宮大社(30分)→速玉大社40㌔ 1時間
- 速玉大社(30分)→那智大社22㌔ 45分程度
- 那智大社(1時間)
参拝がそれぞれ30分・30分・1時間程度なら計算上は4時間弱で回れます。
とはいえ、最速で動いた場合の話で、風情も何もあったものではありません。
そもそも、熊野三山へたどり着くだけでもかなり大変。
いくら高速や道路が整備されてきたとはいえ、吹田JCや四日市JCから休憩も含めると4時間程度は見ておく必要があります。
最速で回ったとしても、一日では厳しいでしょうね。
その距離から何度も出向くことが難しい熊野三山。ゆっくりと時間を取って参拝することをおすすめします。
熊野三山をゆっくり参拝するための所要時間と注意点
熊野本宮大社
ゆっくり回るなら1時間半~2時間程度をみておくべきでしょう。
- 本宮大社参拝 30分
- 本宮大社~大斎原 30分
- 世界遺産熊野本宮館 30分
ぜひ熊野川に沿ってのんびりと歩いてもらいたい。
なぜこの地が聖地となったのか、理解してもらえる気がします。
熊野速玉大社
熊野速玉神社はコンパクトにまとまっていますので、速玉大社を参拝する時間だけですみます。それでも30分程度は必要でしょう。
那智大社~那智の滝
ゆっくり回るなら2時間程度は必要
- 駐車場から熊野那智大社 20分
- 那智大社と那智山青岸渡寺 40分
- 那智大社から那智の滝 30分
- 那智の滝参拝〜駐車場 40分
駐車場から熊野那智大社へは467段もの階段を登る必要があります。さらに那智大社から那智の滝へも結構な距離を歩くことに。
それなりに大変なので、特に女性のシューズには気を使ってくださいね。
まとめ:信仰の原点を体験する旅。一生に一度は熊野詣を
今でも足を運ぶのに一泊二日で躊躇してしまうのが熊野三山。
京都から出向く私ですらそんな感じですから、他の土地から来るにはかなりハードルが高い場所。
でも一歩足を踏み入れれば、この場所になぜ「信仰」が根付いたのか、すぐに理解できると思います。
長い歴史の中で培われてきた「日本の心」と「信仰心」
その原点がこの地にはありますよ。