正式な発表がありましたね。
2か月前に突然発表されましたが、その時点ではコールマンジャパンは「何も聞いてないからお答えできない」とリリースしてました。
基本的に、「事実無根で法的手段も含めて断固とした措置を取る」くらい強いリリースでない場合は、ほとんどその通りなんですけども。
かといって、認めるわけにもいかないし、結構面倒なんですよね。この手の話は。
特に上場してるケースなんかは、かなり厳しい。場が閉まってなければ、リリースすら中々出せません。
処分前に漏れたのは、どこからかのリークだったんでしょうね。公取からではなさそうです。
(平成28年6月15日)コールマンジャパン株式会社に対する排除措置命令について:公正取引委員会
違反行為の内容と処分
公取のリリース文面から違反内容
2 違反行為の概要(詳細は別添排除措置命令書参照)
(1) コールマンジャパンは,コールマンのキャンプ用品(注2)について,遅くとも平成22年以降,毎年8月頃に,翌シーズンに小売業者が販売を行うに当たっての販売ルール(以下「販売ルール」という。)を次のとおり定めていた。
ア 販売価格は,コールマンのキャンプ用品ごとにコールマンジャパンが定める下限の価格以上の価格とする。
イ 割引販売は,他社の商品を含めた全ての商品を対象として実施する場合又は実店舗における在庫処分を目的として,コールマンジャパンが指定する日以降,チラシ広告を行わずに実施する場合に限り認める。
(2) コールマンジャパンは,コールマンのキャンプ用品について,自ら又は取引先卸売業者を通じて
ア 継続して取引を行う小売業者に対しては,翌シーズンの取引について商談を行うに当たり,販売ルールに従って販売するよう要請し
イ 新たにコールマンのキャンプ用品の取引を希望する小売業者に対しては,取引開始に当たり,販売ルールに従って販売するよう要請し
コールマンジャパンが他の小売業者にも販売ルールに従って販売させることを前提に,小売業者から販売ルールに従って販売する旨の同意を得て,当該小売業者に販売ルールに従って販売するようにさせていた。
(注2) 「コールマンのキャンプ用品」とは,コールマンジャパンが販売する「Coleman」の商標が付されたキャンプ用品をいう。
これ…某スノーピークさんがやってる事と一緒ですよねww
⑴のアはスノーピークさんの日常ですねw
⑴のイは、例えばスポオソやWiLD1の割引セールの時と一緒ですねw
⑵はブランドを守ろうとすれば、殆どの会社が程度はともかくしてるんじゃ…
処分の内容(公取のリリース文面より)
3 排除措置命令の概要(1) コールマンジャパンは,前記2の行為を行っていないことを確認すること及び今後コールマンのキャンプ用品の販売に関し当該行為と同様の行為を行わないことを,取締役会において決議しなければならない。
(2) コールマンジャパンは,前記(1)に基づいて採った措置を,取引先卸売業者及び小売業者に通知するとともに,一般消費者に周知し,かつ,自社の従業員に周知徹底しなければならない。
(3) コールマンジャパンは,今後,コールマンのキャンプ用品の販売に関し,前記2の行為と同様の行為を行ってはならない。
(4) コールマンジャパンは,次の事項を行うために必要な措置を講じなければならない。
ア 卸売業者及び小売業者との取引に関する独占禁止法の遵守についての行動指針の作成
イ 卸売業者及び小売業者との取引に関する独占禁止法の遵守についての,コールマンのキャンプ用品の営業担当者に対する定期的な研修及び法務担当者による定期的な監査
処分内容としては一般的で、規制業種でもないために、そこまで重く捉えていないのかもしれません。
なんとコールマンのニュースリリースにも、一切ありませんでしたw
この辺りを考えると、いくらアウトドア会の巨人といえど、会社の形態としては、やっぱり中小企業なんだなぁと思ってしまいます。
これが上場してるスノーピークだったら大変なことになってるはずです。
足りない頭でリーク先を想像してみた
あくまでも想像ですよ、個人的な想像。
イ 割引販売は,他社の商品を含めた全ての商品を対象として実施する場合又は実店舗における在庫処分を目的として,コールマンジャパンが指定する日以降,チラシ広告を行わずに実施する場合に限り認める。
この部分がひっかかります。
これって、簡単に言えば、「ス○オソのセールのようにな一斉セールと、モデルチェンジで型落ちになる時に、うちが許可した上で、処分価格で販売するのはOKだけど、それ以外は基本的に定価で売ってね」
ですよね。
うーーーんんん。スノーピークやんw
いや、スノーピークなら型落ちでも、在庫にならない限りは安くならないかもw
一般的なホームセンターの場合、今ならおろす商品も限られてるような気がしますし、定価販売ね!とガッツリ交渉する必要性は、あんまりない気がしますね。
だいたい、アウトドア関連の全商品一斉セールってあんまり聞きませんし。
むむむ…ということは…そっち方面からのリークなんでしょうか。
個人的な想像ですよ。あくまでも。
でもまあ、そっち方面な気がしますね。
結局、元々の安売りの歴史から、コールマンを下に見てるんじゃないですかね。
スノーピークがちょっとイタい?
少なくともコールマンの行為は、独占禁止法違反という法律違反ですから、擁護するのは理がありませんが、コールマンが小売店の販売状況を見て、文句を言いたくなる気持ちはなんとなくわかります。
何より、今回の雪峰祭で出た限定品の値段を見て、この会社はちょっとおかしいんじゃないか?と、ますます思ったんですよね。
豚の蚊取り線香入れが8000円以上で、旗が3000円ですよw
買った人には申し訳ないと思いますが、それ、その価値ありますか?
いや、ブランドに対するロイヤリティは必要だと思うし、それを育てることは大事なことですよ。実際、そうやって育てたスノーピークのブランドには敬意を払います。
でも、ちょいと調子に乗りすぎでは?
限定という言葉に弱いピーカーにぼったくりで売るって、売る方も買ってる人もちょっと痛く見えるのは私だけでしょうか。ピーカーにならなかったのは、昔からこういうパターンが多くて、大したものでもないのに「やっぱスノーピークだね!」というような単純さが嫌だったから。
私もスノーピークの商品を結構持ってます。でも、それはイイものだと思って買ったつもりなんですよ。
今のスノーピークのように、OEMの商品に自分とこのロゴを付けて、ぼったくるってのは、あんま好きな商売のやり方じゃないですね。ストープしかり、クーラーボックスしかり。ロゴいらんじゃないw
スノーピークのウェアに魅力を感じる層もいるみたいですが、あの値段なら普通に海外のアウトドアブランドを買ったほうがいいんじゃないですかね。ちょっと理解に苦しみますよ。
ふうふう。本音が出ちゃったw
ピーカーから文句言われたらちょっと怖いですw
今後の動向
コールマンのホームページを見る限り、なんだかあんまり影響ないのかな?なんて危惧しますが、基本的に、公取の勧告や命令は、出しっぱなしという訳には行きません。
やると言ったことはやらないとダメ。勉強会は必ずやらなきゃなりませんし、今後の交渉においても同じことはできません。
今後、コールマンの商品は定価が上がるんじゃないかなと思います。
交渉できないなら、定価を上げるしかないし、取引先は吟味していくでしょうね。新規の取引先は増えづらくなるんじゃないでしょうか。
一社の定価が上がれば、他の会社もつられて上がる可能性がありますから、どちらかといえば、消費者側はマイナスの動きになるかもしれませんね。
これは、あくまでも予想ですから、真逆の動きになることも否定できません。どちらに転ぶのでしょうね。
まとめ
正式に公取から排除措置命令が出た以上、甘く見ちゃいけません。
公取の持つ独立性と権限は、とても大きなものです。
コールマンがそこをきちんと斟酌できるのか、今のリリースを見てるとちょっと不安に思うところもあります。
公取の文面を読む限り、本当にそのままやろうとするなら、スノーピークの商品だって、小売店が必要としたタイミングで、安売りできければなりません。
つまり、本当にその通りに動くなら、今後のアウトドア商品の価格の鍵を握るのは、小売店になりますよね。
でも、その未来がちょっと想像できない。
それは、私たちも含めて、雪マークに飼い馴らされてるってことですよ。
この排除措置命令が、アウトドア業界にとっても、我々消費者にとっても、いい方向に導けるものであることを祈っています。