イージュー☆camper

キャンピングカーでのお気楽アウトドアとくるま旅

ファンルーチェURAL euro(ウラルユーロ)ちょっと残念なキャブコンかな

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私の大好きなカテゴリー。ハイエースベースのキャブコンに、新しい車が登場。

ファンルーチェ URAL euro(ウラルユーロ)

大阪キャンピングカーフェア2016で、展示されていました。

目次

 

外観はかなりカッコイイ!

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バンクベッドを排したスタイリッシュな外観。アネックスのリバティや、セキソーボディのTOMシリーズなんかと一緒ですね。普通なら敬遠したいような色使いも、この外観にはしっくりくるのが不思議。

 

ハイエースベースは、タイヤやホイール、エアロパーツなどが豊富にあり、カムロードと違って、ドレスアップするには最高のベース車。

使い勝手はともかく、窓が少なくスッキリしてるのもかっこいい。

 

ウラルの売りは?

ビルダーHPより

  • 全長482 × 全幅192 × 全高270(オプション装備により異なる)
  • コンパクト!! 全長、全幅と ミニバンに近いサイズでとりまわしもらくらく
  • セレンゲティ、パタゴニア同様の鋼製スペースフレームボディ
  • 車両重量は2,500kほどに抑え、重心、重量配分を緻密に計算しての設計で驚きの安定感と走破性でロングドライブもばっちり!

 


キャンピングカーフェアで営業の方が語ったセールスポイントは

  • 二人旅でもキャブコン並みの快適装備が欲しい
  • でも大きいし、運転が大変
  • これならジャストサイズで、ミニバン感覚で運転できる

そんなセールスしてました。

 

本当にミニバン感覚?走りはいいの?

バンクベッドがないのは、間違い無く走りにプラスですし、ベース車もナロータイプで、サイズ的には運転しやすそうです。

 

とはいえ車重は2500㎏と、実はバンテックのコルドシリーズとほとんど変わりません。同程度のオプションをつければ、逆に重くなるんじゃないでしょうか。

また、ナローベースなので、エンジンが2ℓガソリンか、3.0ディーゼルになり、これもカムロードと変わらず、ディーゼルならともかく、ガソリン車の場合は明らかにパワー不足。ミニバン感覚っていうのは、あくまでもサイズの話なんでしょうね。

 

ディーゼルが選べるのは嬉しいですが、ガソリン車なら2.7ℓのセレンゲティの方が、安定性はともかく、走りはいいと思います。

 

室内のレイアウトはかなり微妙

完全に二人旅に割り切った仕様。

二人で過ごせるダイネットと常設ダブルベッドにマルチルーム。オプションですが、家庭用エアコンとカセットトイレも装備可能。装備的には、二人なら間違いなく快適に過ごせるもの。

 

しかし、このダイネットはちょっと… 

どう見ても二人で過ごすには狭いし、シートはリラックスできなさそう。フロント側のシートは、ヘッドクリアランスから見て、女性専用になりそうですし、動線もいちいち面倒くさい気が。

 

ダイネットでリラックスできるかは、とても大切な要素。

そもそもマルチルーム付きで、常設ダブルベッドと快適なダイネットを両立するのは、カムロードベースでも難しい課題。サイズは5Mに収まらず、それでもダイネットは狭くなります。それを全長の短い車でやろうとすれば、無理が出るのは当然です。

個人的には、ここで長く過ごせるとは思えない…が、正直な気持ち。

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マルチルームは見学できませんでしたが、パッと見では明らかに狭そう。カセットトイレが設置してあるということは、使用に問題はないと思いますが、HPの写真でも足元は写していませんので、ちょっと不安ですね。

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ベッドは少し長さが足りないのでは?と思いますが、まあゆっくり眠れそう。ヘッドクリアランスがあまりなく、ある意味ダイネット代わりになりそうな、ジルノーブルなんかに比べると、寝るだけといった感じ。

 

オプションとはいえ、家庭用エアコンの設定があるのは嬉しいところ。あるとないじゃ夏場の行動範囲が全然違ってきます。ただし、バッテリーが増設できることが条件ですね。室外機の収納はカッコイイ!

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収納は十分。オプションをつけると右がエアコン室外機のスペースに。左に給排水タンクが収まります。奥行きはありますが、左右は狭いですね。

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強みがイマイチわかりません

ファンルーチェが満を持して登場させた、意欲的なスマートキャブコン。

コンセプトは大いに賛同しますが、中途半端な車になっちゃってない?というのが正直な感想。 

  • ウラルが運転できるなら、セレンゲティでも十分取り回せる。
  • 走行安定性は良さそうだが、ガソリンエンジンが2ℓのため、静粛性を諦めてディーゼルを選ばないと走りが不満になりそう(静粛性はハイエースベースの強み)
  • 車内の快適性はセレンゲティに遠く及ばない
  • キャブコンで一番面倒な高さの問題は残る

キャンピングカー選びが難しいのは、色んな事がトレードオフの関係だから。特に「車内が広くて快適」は「デカくて運転しづらい」と表裏一体。

そうでなければ、バンコンかキャブコンか?レイアウトは?オプションは?なんて、誰も悩まずに済む話です。快適性が中途半端だと、得られるメリットに対して、キャブコンならではのデメリットが上回ってしまう気がします。

 

ハイエースベースのバンクベッドを持たないキャブコンは、快適性とのトレードオフで全長が長くなってしまいます。これはかなり不便ですが、それでも得られる快適性が上回らから選択するのでしょう。ウラルにはそういう強みが感じられません。

 

このサイズにこだわって二人用と割り切るなら、カムロードベースのジルスキップの方が、ずいぶん快適で使いやすいと思います。

 

まとめ

見た目は最高の一台ですね。

中身に関しては、キャンピングカー自体がニッチな分野なのに、さらにその先に行きましたよね。このコンセプトを望んでいる層は、どのくらいいるんでしょう…。そもそもメリットがデメリットを上回れるの?と疑問に感じます。

 

個人的には、セレンゲティという素晴らしい兄貴分を超える点が、どうにも見当たらない。これなら、ここに使う技術や労力は、セレンゲティにつぎ込めばいいのに、なんて思ったり。

というか、バンコンの方がいいんじゃないの?とも… 

評価は「うーん…」としか。