バンテックから久しぶりに発売されたライトキャブコン「シーダ」
ライトキャブコンと思えないような質感と使いやすさは、他社のものとは明らかに一線を画しています。
目次
11月22~28日にバンテック京都でシーダが展示される
2016/11/13
お願いしてたものを受け取りに、バンテック京都へおじゃましたところ「新ライトキャブコン:シーダ」が、11月22日から28日までバンテック京都店で展示されると伺いました。
発表されたばかりの車は、なかなか見る機会がありませんし、気になる方は足を運んでみてはいかがでしょう。私もチロッと見に行きたいなんて思ったり。
ライトキャブコン:シーダのファーストインプレッション
あくまでもWebに掲載されている情報をみた印象だけですが、シーダのインプレッションを。
個人的には、ライトキャブコンとは思えない雰囲気と使いやすそうな工夫、妥協のない快適装備に「バンテックさん、かなり力入れたなー」と感じました。
デザインは今までのライトキャブコンとは一線を画す
そもそもボンゴがファニーフェイスなとこもあって、ライトキャブコンはわりと可愛らしい感じの車が多い印象。シェルの形も少し丸みを帯びて、女性ウケの良い優しい感じが前面に出てた気がします。
対してシーダは、かなり精悍で「カッコイイ路線」に行きましたね。
室内もZILシリーズを踏襲し、間接照明を多用するアダルトな高級感があるもの。でもブラウンのファブリックにブルーをアクセントに使うなど、ある程度若い世代もターゲットなのでしょう。
総じて私のコルドリーブスよりずいぶんオサレ。
ゆとりがあって使い勝手の良さそうな室内
コンパクトなボディにマルチルームも配置され、必要な機能がうまくまとめられています。
写真で見る限りでは、コルドシリーズより全長が短い(10cm)分のしわ寄せは、マルチルームが引き受けた感じでしょうか。
バンクベッド・常設二段ベッド・ダイネットは、カムロードベースとほぼ同等のスペースを確保してるようです。
キッチンはコンロを設置せずに、少し短くしてクローゼットを備えています。
クローゼットがあると、室内の散らかり感がまるで変わってきますし、キッチンはあまり使わない人もいるのに対して、服は全員着ますから、こちらの方が実用的ですね。
基本的にバンテックの車は、使い勝手のツボは抑えていますので、見た感じだけでなく、実際にも使いやすいと思いますよ。
マルチルームはトイレルームとして常用するにはイマイチ
しわ寄せがいったマルチルームは、トイレルームとして常用できるかは少し疑問。
横幅も不足気味だし、一段登って使用する形なので、男性だとかなり窮屈な感じ。
しかしトイレは非常用と考える人なら、下段にポータブルトイレを収納できるので、逆に使いやすいでしょうね。
エントランスドアが進化・サードシートの肘掛けに新たな工夫が
エントランスドアが高級化?
他のビルダーですでに一般的に採用されている、ユーロタイプのドアに変更されただけですが、たしかに高級感が違いますし断熱性も良さそうです。
このへんは好き好きなんでしょうね。私は今のタイプでも使い勝手には全く不満はないんですが、塗装はなんとかしてよと思ってます。
サードシートの肘掛けをそのまま収納できるのはナイスアイデア。
これ意外と置き場所に困るんですよ。
走行中は必要なのに、ダイネットで過ごす時はじゃまという面倒なアイテム。いつもマルチルームとかバンクベッドとかに放り投げてるんですが、シーダの仕組みはこれを一気に解決するもの。
今後は全て採用されて行くんでしょうね。
意外と絶妙な価格設定かも
初めて価格を見た時は正直「高くね?」と思ったんですが、比較対象をどこにおくか、快適性をどのレベルまで求めるかで、印象はまるで変わってきます。
2wdの車両本体+販売諸費用はおよそ570万前後。
仮にオプションをバンコンと同等レベルにした場合
冷蔵庫 151,200
マックスファン変更 38,880
インバーター 157,680
バッテリー増設 48,600
テレビアンテナ 56,160
FFヒーター 218,160
合計 670,680
およそこの程度のオプションで、機能的にはバンコンや他のライトキャブコンと同等以上。その他の持ち込み品(テレビ・レンジ・ポータブルトイレ・マルチシェードなど)をつけても総額で650万程度じゃないでしょうか。
トイのバンコンと同程度の価格だと思います。
より快適路線を目指すなら
バッテリー追加 32,500
エアコン 216,000
ソーラー 116,640
小計 365,140
先ほどのオプションに加えると合計1,035,820円。
総額で680万くらいになりますね。
このレベルになると、トイなどのエアコン付きバンコンより、かなり安く実用的になるはずです。当然、走りは比較にならないと思いますし、車重が重くなるのは注意が必要ですが、過ごす時の快適性はシーダの方がはるかに上でしょう。
そう考えると、シーダの本当のライバルは高級路線のバンコンかもしれません。
ライトキャブコン同士の比較では、デザイン・質感・利便性に加えて、サブバッテリーで稼動可能なエアコンがオプション設定されていることを考えると、頭一つ以上抜けてるでしょう。価格面の差は十分以上に吸収できていると思います。
しかしこの価格になると、カムロードベースのコルドバンクスと差額が70万ほどに。ここと比較すると強みが若干ぼやけてきます。
とはいえ全体的な質感や車内の利便性は、コルドシリーズより上。
室内の快適性はほとんど変わらないとなると、価格差はベース車両の分だけなので、適正な価格になっちゃうんですよね。
きちんと見てみると、意外に絶妙な価格設定だということに気づかされました。
気になる点:走りと価格面の訴求
気になるのはシーダに限った話ではなく、ライトキャブコンの走りと運転がどんなもんかということ。
1800CCのガソリンエンジンでは、走りに不安があるのは否めませんし、シーダの場合は快適化の幅が広いだけに車重の増加も懸念されます。
しかしボンゴベースの場合
- 足回り強化のパーツが少なそう
- シートの快適化が難しい
運転時のストレスを感じたくない場合は、慎重な検討が必要ですね。基本的にのんびり走る人向けの車であることは間違いありません。
また意外と練られた価格設定ですが、ライトキャブコンのカテゴリーで価格面は重要な訴求ポイント。アミティが販売台数1位の理由は、間違いなくそこにあると思います。
シーダそのものは路線が違うとはいえ、この層にガッツリ応えられるような廉価版も、多くの人が期待してるんじゃないでしょうか。
まとめ:かっこいいライトキャブコンがあってもいいんじゃない?
明らかに他社のライトキャブコンとは一線を画すシーダ。
デザイン・使い勝手・快適性は、バンテックならではのセンスや工夫が随所にみられます。最初「高いなぁー」と思った価格面も、よくよくみてみれば絶妙な設定。
本当のライバルはどこなんだろう?と興味深い。
ボンゴベースなので走りに対する不安要素はあるものの、バンテックならではの快適性に妥協はなさそう。この価格で快適に過ごせるキャブコンが手に入るなら、十分アリだと思います。
何より「かっこいいライトキャブコン」ってカテゴリーがいい。
購入を検討するなら、ライトキャブコンならではの長所・短所を十分理解するためにも、実車をよくチェックし、ビルダーに疑問を全部ぶつけることが大切。
今後開催される展示会に、ぜひ足を運んではいかがでしょう。
実車を見たので気になるところをレビューしました
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